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美しさの価値

コンビニ大手三社で、一店舗当たりの売上が、大きく違っていることをご存知ですか? 

会社全体の売上ではなく、それぞれ一店舗あたりの売上です。

一日の売上が一番多い会社が60万円くらい、他の二社は45万くらいなのです。


コンビニの大手三社は、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートです。今は、各社が独自の商品を開発し、差別化が図られていますね。だから違うのかと思っていました。


実は、10年前も同じだというのです。10年前のコンビニは、大手三社どこに行っても似たような商品を販売していました。建物も同じくらいの大きさ、サービスもそんなに変わりません。なのに一店舗当たりの売上は1.3倍も違うのです。


私は、三社のコンビニで商品を買ってみて、実際に体験してみました。各社が開発した商品には違いはありますが、それ以外には大差がありません。10年前から一社だけがダントツの理由は分かりませんでした。さて、一番優秀なのはどの店舗だと思いますか?そしてその理由は?答えは後です。


私は、会社を経営しています。7年前から、経営の勉強会に参加をしています。師匠としている人は、会社を20年間増収増益させました。その後、会社を売却し、今は経営コンサルタントして活躍されています。コロナ前は、毎月10日間海外旅行に行き、20日間仕事をするという生活をされていました。


その師匠から


「儲けたかったら、美しさにこだわるんだよ。身なりや会社を綺麗にするのは当たり前。ホテルに泊まったら、使った備品、ベットは綺麗にして出ていく。コンビニでトイレを借りたら、使う前よりも綺麗にするんだよ」と教えてもらいました。


儲かる理由は分かりませんでしたが、コンビニでトイレを借りると、便座や便器をトイレットペーパーで拭くことからはじめました。


何度か繰り返していると、汚いトイレの店舗と綺麗なトイレの店舗があることに気がつきました。そうです。一店舗当たりの売上の高いコンビニのトイレは綺麗なのです。


このコンビニをネットで調べてみると、「クリンリネス」と言って、清潔で気持ちいいお店にすると謳っていました。


私の中で、すべてがつながりました。


思考実験です。もし皆さんがコンビニに行って、缶コーヒーを買うとします。買おうと思っていた缶コーヒーの缶が凹んでいたとしましょう。目の前の凹んだ缶をのけて、わざわざ後ろの傷のないほうを取りませんか?中身は同じなのに、きっと凹んでない傷のない缶コーヒーを選ぶと思うのです。


また、お昼にカレーを食べよと、スーパーにレトルトカレーを買いにいったとしましょう。棚に並んだカレーが二つあって、ひとつはパッケージが凹んでいた。もう一方は傷がなかったとしましょう。家に帰ってパッケージをすぐ破って食べるのに、凹んでないほうを選びませんか?


このように人間は、同じものであったら、綺麗なほうを選ぶのだと思います。


コンビニも一緒で、同じ商品を売っているのなら、綺麗なお店のほうが選ぶのだと思います。固定客をつかむのですから、そりゃ売上が上がるはずですよね。


このことを、私の会社の取引銀行の行員に伝えると「そうです。僕も外回りをしていて、トイレを借りるときはセブンイレブンで借りるです。借りたら悪いと思うからなんか一品買ってしまうんですね」


分かっちゃいましたか? 一番売り上げている会社は、セブンイレブンです。


綺麗なトイレがいいという価値観を持っている人は、トイレをタダで借りるのは悪い。何かお返しをしなければと思って、商品を買っていく優しい人が多いと思いました。こういう人が選んでくれるのなら、さらに売上は上がるなぁと思いました。


このことを師匠に伝えると

「いいことに気が付いたね」といって、ある旅館をコンサルティングしているときの体験を話してくれました。


当時の従業員の食事は大皿に盛ったおかずを、各人がとって自分のドンブリの上に乗せて食べていたそうです。それを見た師匠が、手間がかかるかもしれないけれど、一人ひとりにおかずを盛りつけるように指示したそうです。


「何でだか分かるかな?」と師匠から質問されました。


「ちょっと分かりません。大皿のほうが、洗い物が減って合理的でいい感じします」


「確かにお腹の中に入ってしまえば同じかもしれないけど、そんな食事の仕方をしていたら美しい仕事は出来ないと思うんだよ。それって美しさに対する鈍感さなんだと思うんだよ」


セブンイレブンは、トイレも綺麗ですが店舗内も綺麗です。店舗の周辺を掃除しているのも見かけたことがありました。セブンイレブンは美しさに敏感な会社だと思いました。


「旅館は非日常を売っているわけだよ。そこで働く社員が美しさに対して鈍感だったら、意識してないときに美しさに欠ける行動をすると思うんだ。非日常を楽しもうと思っているお客さんがそれを見たらがっかりするよね。それだとリピートも口コミも発生しないよね。だから儲からなかったんだよ」


美しさを大事にするお客さんは、気に入ったらリピートしたり、口コミしてくれる。リピートは、綺麗なトイレを借りようとセブンにいくのと似ている。口コミはお世話になった旅館へのお返しと考えれば、トイレを借りて一品買うのと似ていると思いました。


セブンイレブンは、商品だけではなく、その雰囲気や美しさも売っている。この差が一店舗あたりの売上の差になっていると思いました。


師匠に、美しさの価値を教えていただきました。その美しさとは、販売している商品の美しさだけでなく、提供する社員さんの行動、会社の環境なども合わせた評価なのだと思いました。まずは、会社を美しくすることにこだわっていきたいと思います。



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